わたしと家族

離婚した両親、それからのわたしについて思う事を整理する

日記回想(5)2011/11/19

先日“若年期認知症の集い”に母と行ってみた。

認知症
と言うと大抵が
“高齢者”というのが前提らしい。

母はまだ“高齢者”ではない。

じゃあ“若年期”って、何歳?
「40歳以上65歳」
というのが認知症界の“若年期”らしいから、やはり母は“若年期認知症”なのだ。

体は至って健康。
“記憶できない”
という事以外は健常者と変わりはない。

そんな母と同じ境遇の方、介護者(家族)の方が集うという案内を見つけ申し込んだ。

車で40分程度の場所。
和室を開放した集会場所で開催されたその会は、はたから見たら
“おじちゃん、おばちゃんの集まり”
にしか見えない。

初参加の私と母はボランティアの世話人の方々に温かく迎えられ約4時間半の時間はあっという間だった。

始まりに簡単な自己紹介。
参加されている方々は自分の病気を知っている。
どの方も母と同じくらいの年齢だった。
私と母は“親子”での参加だったけれど、他の方は“夫婦”で参加されていた。

そして、お昼にお弁当を食べ一息ついてから“合唱”をした。
この会は、認知症本人とその家族そしてボランティアの方々が一緒の“合唱団”を形成している。

1曲目。
翼をください
を初参加の私と母、そしてもう一人の方の3人で聴いた。

並んで歌う姿を見ていると“ふつう”のおじちゃんとおばちゃんたちだ。
この方々が大変な病気を患っているなんて、一体誰がわかるのだろう。
そして、私は涙をこらえるのが精一杯だった。

 

〜いま私の願いごとがかなうならば 翼がほしい
この背中に鳥のように 白い翼つけてください
この大空に翼をひろげ 飛んで行きたいよ
悲しみのない自由な空へ 翼はためかせ 行きたい

いま富とか名誉ならば いらないけど翼がほしい
子どものとき夢みたこと 今も同じ夢に見ている
この大空に翼をひろげ 飛んで行きたいよ
悲しみのない自由な空へ 翼はためかせ
この大空に翼をひろげ 飛んで行きたいよ
悲しみのない自由な空へ 翼はためかせ 行きたい〜


介護する家族は
介護されている本人は
“翼”の代わりに何が欲しいのだろうか。