わたしと家族

離婚した両親、それからのわたしについて思う事を整理する

引越し

父との生活が再開されても特に何も変わらなかったと思う。

でも、わたし達が家に戻った頃、確か父は保険の外交員みたいな仕事をしたような気がする(正確にその時期だったのかうろ覚えだけど)。

 

まさに、わたしが幼稚園生の時に描いた父の日の絵のようにスーツを着て仕事に行っていたのだ。

夫婦間の事はさておき、わたしは少し嬉しかった。やっと父もまともな仕事をするようになった、と感じた。

 

が、しかし。

ダメな男がたった一度、妻が子どもと出ていった位で性格が変わる訳はなかった。

 

そんな仕事も1年は持ったのか、いやそれ以下か。

すぐにそのスーツ姿の父は見られなくなった。

 

子どもだったから「転職」についてあまり感じてはいなかったけれど、今こうして思い返すと本当にダメな男だと思うし、もし、こういう男と付き合ってる友達がいたら間違いなく

「別れるべき」

と言っている。

 

そんな調子がわたしが小学校を卒業するまで続いていたと思う。

 

しかし、こんなフラフラした生活を父の父(祖父)は、とうとう我慢できなくなってしまったのである。ここで大いに突き放すのが本当の親の愛なのであろうが「子どもに甘い祖父」は、なんとわたし達に祖父の家の近くに家を建て、そこで監視するようになったのである。

 

それはわたしが中学校への入学と同時期だった。

 

わたしはそんな事情があるとうすうす感じてはいたものの、色んな制約のある借家住まいが終わる喜びと、祖父の目が届く範囲であれば父もまともに働くかもしれない、という淡い期待を持って引越しと転校をする事になった。